会長挨拶
『罪を憎んで人を憎まず』
このたび、5月の富山市保護司会総会において会長に選任されました。微力ではありますが、更生保護活動のさらなる発展にむけ努力していく所存です。
保護司の心構えはと問われると、必ず、こう答えていました。「罪を憎んで人を憎まず」そして対象者の心に寄り添ってまいりました。
しかし、このモットーとともに念頭に置かなければならないことがあることを改めて知りました。これまでも折に触れて言われていたと思いますが、令和3年度第3回定例研修資料に依って再確認しました。この研修はコロナ禍のため中止になり、資料だけが配付されました。研修テーマは『犯罪被害者等基本計画を踏まえた更生保護の在り方について』 。
早速読んでみました。犯罪加害者の被害者に対する謝罪や被害弁償について、しっかりと書かれてありました。「ややもすると保護観察対象者の生活の安定を最優先にした結果、謝罪も被害弁償もされないままに保護観察が終了してしまうことがある」「謝罪や被害弁償などの対応は、その者が当然に取り組む課題であることを示し、その課題に取り組み続けることが出来るように、共に考えることをお願いする」とありました。
加害者に、犯した事件の被害者から目を背けないで、罪の意識を強く自覚させるのが計画の目的であるようです。それが対象者の再犯防止にも繋がると謳っています。
これまで私は、対象者の犯罪内容は資料で確認していても、実際の面談の話題にすることはありませんでした。これからは対象者に寄り添いながらも、謝罪と弁償を胸に持って接したいとの思いを改めて認識しました。
こういう研修も、コロナ禍でなければ対面で受講できたように思いました。同時に保護司が一堂に会すれば様々な意見交換の機会もあったのではないかと思われます。 令和4年度は研修をはじめ、保護司会、機能部会、地域支部等の会合、運動が感染防止に工夫しながら、コロナに邪魔されることなく実施されていくことを願うばかりです。
富山市保護司会 会長 杉田欣次